研究概要 |
本研究では超高速撮像法であるEcho Planner Imaging(EPI)法をfunctional magnetic resonance imaging(fMRI)に応用し、光刺激による大脳皮質視覚野の信号変化を解析した。fMRIにはSIGNA HORIZON 1.5T(GE-YMS)を用い、gradient echo type echo planar imaging(GE-EPI;TR/TE 3000/50msec,Matrix 64X64,FOV 220mm,Thickness 7mm)を撮像した。後頭葉腹側から頭頂葉を含む12横断面を設定し、3秒間隔で連続102回の撮像を行った。光刺激の負荷は、白黒のcheckerboard pattern反転、赤緑のcheckerboard pattern反転、及び白黒のcheckerboard pattern静止画像をビデオプロジェクターを用いて検査台に設置したスクリーンに投影し行った。光刺激は30秒ごとに5周期のon,offを繰り返した(1周期30秒)。fMRIの画像処理として、時系列に対する周波数解析を行い刺激に同期する周波数成分を有する画像を作成した。また、周波数成分の位相を36分割し、刺激に対する反応性を検討した。全例で一次視覚領野での光刺激に同期する信号上昇が確認された。位相画像では、一次視覚領野の中心部から周辺の視覚連合野に広がる信号上昇の位相のずれが描出された。静止画像に比して反転パターンを用いた光刺激ではV5領野の信号変化が強調された。しかし、白黒のcheckerboard pattern反転画像と赤緑のcheckerboard pattern反転画像を用いたfMRIでは明らかなV4の同定は困難であった。V4の同定には今後高空間分解能を用いたfMRIでの検討が必要と考えられる。
|