研究概要 |
超高速磁気共鳴スペクトル画像法を実現するために、これまでに実用化してきた測定方法の改良をはかった。使用機材は、当施設で保有する動物実験用MR装置(7.0T Unity-INOVA,Varian,15cm bore)・臨床用MR装置(1.5T,MEGNETOM;Siemens)である。超高速磁気共鳴スペクトル画像法の実用化を目指した。高速化のためにはグラディエントエコー法にて信号をとる方法、最近画像法で実用化されてきたEPI法と同様に強い傾斜磁場を用いてEPI法を変更したEPI-MRSI法が考えられている。これらを実用的なものとするため、基礎的な測定系列の検討を現有する実験用装置で行った。さらに昨年度の研究によって臨床用装置で動作可能となっているグラディエントエコー法よるMRSI法を用いて、短いエコータイム(6.4ms)での測定法を実用化して緩和時間の測定点を増やすことが可能となった。応用技術として代謝物の拡散を測定する測定系列をグラディエントエコー法をもちいて開発しているが、渦電流の発生を抑制することが現有装置では困難であり、本研究期間中には達成できていない。グラディエントエコー法とは別に、臨床用装置において最近の高速画像撮像の標準であるファストスピンエコー法をMRSに応用した測定系列を開発し、高速化を図った。緩和時間・代謝物拡散の測定には定量性に欠けるため、不利であるが測定の高速化としては有効な方法であった。臨床的なMRSの使用においては考慮されうる測定系であると考えられた。
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