研究課題/領域番号 |
09770714
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70210648)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 心臓 / 冠状動脈 / バイパス術 / MRI / MRA / バイパスグラフト / MR Angiography |
研究概要 |
【目的】 冠状動脈バイパスグラフト(coronary artery bypass grart:CABG)術は、虚血性心疾患の外科的治療法として確立されている。このCABGの開存性の評価は術後患者の経過観察の上で重要である。その評価には血管造影法が用いられているが侵襲を伴う検査法であるために、非侵襲的な診断法の確立が望まれていた。そこで近年発展の著しいMRangiography(MRA)を用いて、これを血管造影にかわり得る精度の高い非侵襲的検査法として臨床的に使用可能にすることを目的とした。 【方法・成果】 基礎的研究: 34本の内胸動脈グラフト(ITA)と23本の伏在静脈グラフト(SVG)に対して術中に径と血流速度の計測を行った。ITAの平均径は2.0mmで、平均血流速度は45.2ml/minであった。SVGの平均径は吻合部での計測で2.1mm、平均血流速度は68.6ml/minであった。血管径・血流速度ともに吻合した冠状動脈の還流領域の広さによって規定される傾向が見られた。 臨床的研究: 装置はGE製Signa(1.5T)を用いた。108本のCABGを対象にtime-of-flight法(FASTCARD法)で撮像した結果では、ITAはsensitivity、specificityともに100%で、SVGではsensitivityが95%、specificityが83%であり、臨床的な使用も可能と考えられた。また、ごく最近になり可能となった造影剤(Gd-DTPA)を用いた3D-MRAも5本のグラフトに対して試みたが、FASTCARD法と比較して高空間分解能の画像を短時間で得ることが可能であり、今後の発展が期待された。MRAの欠点としてはグラフトと冠状動脈の吻合部の描出が30%程度と低い点があげらられ、今後さらに検討を加えて描出率の改善を図りたい。
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