研究概要 |
1) すでにクローニングされているラットflt-1,KDRのシークエンスを検討し、その上流域にβ-galactosidase活性を組み込んだcDNAを合成した。市販のcationic liposomeとこのcDNAを反応させ、混合物を作製した 2) cationic liposome-cDNA混合物を注入後、ラットを閉腹し、12時間後、24時間後、2日後、3日後、4日後、1週間後にラットより、腎臓、肝臓、肺を摘出し、凍結切片を用いて、β-galactosidase活性の免疫染色を行い、切片あたり陽性糸球体数を数え、導入効率を算定した。 3) 導入効率が安定したとろで、導入、非導入ラットで、病期に応じて尿蛋白、BUN.Crを測定し、腎 臓を摘出し病理学的検討を加えた。 4) 遺伝子導入・非導入ラット間で、尿蛋白、BUN.Cr、組織学的に有意差は認めなかった。 5) そこで、遺伝子・非導入ラットの両方にVEGFを経静脈的に投与したところ、導入ラットにおいて、増殖病変が強い傾向がみとめられた。現在さらにVEGF投与量、回数糖の実験条件をふやし、実験を継続中である。 6) 加えて、導入、非導入ラットにThy-1腎炎を惹起し、双方の臨床病理学的比較検討を進めている。
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