研究課題/領域番号 |
09770862
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
内海 甲一 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60291150)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ファブリー病 / アンチセンスオリゴDNA / α-ガラクトシダーゼ / 腎不全 / メサンギウム細胞 / ビトロネクチンレセプター / ビトロネクチン / グロボトリアオシルセラミド |
研究概要 |
ファブリー病はα-ガラクトシダーゼの遺伝的欠損による先天性代謝疾患で、多彩な臨床症状を呈する。本症における腎不全は、患者の生命予後に直接影響を及ぼす重要な症状の一つである。しかし、その発症進展は、グロボトリアオシルセラミドなどの基質の蓄積が原因であると考えられているが、詳細な機構は不明である。病態解明のためには、細胞レベルでの解析が重要であるが、ファブリー病患者由来の腎細胞の入手は現実には、非常に困難である。そこで、アンチセンスオリゴDNAを用いて、ヒト腎由来の培養細胞でのα-ガラクトシダーゼの選択的な遺伝子発現阻害系の構築を検討し、人工的なファブリー病のモデル作製を試みた。 α-ガラクトシダーゼmRNAの翻訳開始コドン(AUG)領域付近の塩基配列に相補的なホスホロチオエートオリゴDNA(SオリゴDNA)を、ヒト腎由来の正常メサンギウム細胞に継続的に投与することにより、α-ガラクトシダーゼ活性を選択的に低下させるアンチセンスオリゴDNAの配列が確認された。さらに、α-ガラクトシダーゼ活性をより効率良く低下させるために、まずバフィロマイシンを投与し、次にα-ガラクトシダーゼを選択的に低下させる配列を持つホスホロチオエートオリゴDNA(SオリゴDNA)を、継続的に投与した。その結果、投与による細胞内酵素活性の低下は、対照の正常メサンギウム細胞の25-30%程度であり、良好と考えられた。また、投与による、他のリソソーム酵素の活性や細胞には影響を与えなかった。しかしながら、リソソーム病の発症を考えた場合、残存酵素活性は、正常の10%以下と想定されているので、今後さらに効率の良い投与法の検討をすすめたい。
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