研究課題/領域番号 |
09770893
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 高知医科大学 (1998) 京都大学 (1997) |
研究代表者 |
山脇 吉朗 高知医科大学, 医学部, 助手 (40263074)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 鼻咽腔閉鎖機能 / 発声 / 構音 / MRI / 口蓋裂 / 先天性鼻咽腔閉鎖不全症 / 鼻咽喉閉鎖機能 / 発音 |
研究概要 |
「口蓋裂」の治療目的は鼻咽腔閉鎖機能の改善にあり、1〜2歳ごろ、そのための手術療法を施行する。しかし、その中の5〜6%は手術を施行しても同機能の改善が充分でなく、言語機能(構音)に問題を残す症例が生じている。そして、その原因部位は症例によりまちまちである。 また、同じく先天性に鼻咽腔閉鎖不全をきたす疾患である「鼻咽腔閉鎖不全症」も、閉鎖不全をきたす原因部位は症例により異なると考えられている。 しかしながら、閉鎖不全の原因部位を正確に判定する方法は未だ確立されておらず、画一的な手術療法が行われているのが現状である。 また、健常人においても鼻咽腔閉鎖動態は個々により様々で、閉鎖に関わる筋群の関与の相違が推測されている。 数年前より発声時の鼻咽腔閉鎖機構をより正確に把握するために、MRIの超高速撮像法を用いて、閉鎖に関わる筋群の観察を試みており、その結果、撮像方法の設定と観察する断面の設定を工夫することにより、口蓋帆挙筋をはじめとする鼻咽腔閉鎖筋の一部の発声時の変化をとらえることが可能となった。この検査方法が確立されたことにより、個々の症例の閉鎖不全の原因となる部位の特定と、症例に応じた手術術式の選択が可能になりつつある。 さらに、この検査方法を用いて、健常人をふくめた鼻咽腔閉鎖動態を観察したところ、従来、口蓋帆挙筋の収縮に起因するものか、咽頭収縮筋の収縮によるものか、議論の分かれていた発声時の咽頭側壁の内方運動が、口蓋帆挙筋の収縮によるものであるとの確証を得た。この新しい知見は、鼻咽腔閉鎖不全症例の手術治療の向上に寄与すると考えられる。
|