研究課題/領域番号 |
09770916
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
工藤 崇 創価大学, 生命科学研究所, 助手 (20288062)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | glycosyltransferase / colorectal cancer / non small cell lung cancer / competitive RT-PCR / fucosyltransferase / sialyltransferase / sialyl Lewis antigen / sialylated Lewis antigen |
研究概要 |
血液型関連糖鎖抗原であるsialyl Lewis^xあるいはsialyl Lewis_a(sLe^a)抗原は、大腸、膵臓、胃、肺などの癌組織で発現しており、腫瘍マーカーとして臨床診断にも応用されている。大腸腺癌患者および非小細胞肺癌患者より手術時に腫瘍部位とその周辺の非腫瘍部位を採取した.その生体組織サンプルを使用して、抗ialyl Lewis抗原抗体によって免疫組織染色、およびその生合成に寄与することが考えられる12種類の糖転移酵素遺伝子の発現の定量を行った.大腸癌患者11名については、腫瘍部位においてFuc-TTV,ST3Gal IIの増加、ST3Gal IIIの減少が見られた.他の酵素については統計上相関はしないが個々では上昇傾向であった.また、sialyl Lewis抗原の発現量と相関する糖転移酵素は見いだせなかった.この結果、癌化における糖鎖抗原の変化は、複数の酵素が同時に上昇する協同作用の結果と考えられた.近年さらに多くの糖転移酵素遺伝子のクローニングが報告されており鍵酵素もその中にある可能性がある.肺非小細胞癌の患者20人については5種類のα1,3Fuc-T遺伝子の定量を行った.Fuc-TIIIが最も多く発現しており、腫瘍部位で全例増加していた。Fuc-TVIは低発現であるが、腫瘍部位での増加し、比活性も高いことから、sLex抗原の発現に関与していると考えられた。ウェスタン解析により、4人のルイス陰性患者ではsLe^X抗原の発現が見られたが、sLe^a抗原は全く発現していなかった.Le遺伝子型を考慮に入れると、肺癌組織中のsLe^X抗原量はFuc-TIIIとFuc-TVIの2種類の酵素の活性総和量ときわめて相関していた.すなわち、Fuc-TIIIとFuc-TVIが鍵酵素となり、肺癌組織中のsLexを決定していると結論できた.
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