研究概要 |
食道癌患者(HLA-Cw0102陽性)の転移リンパ節より得たリンパ球をIL2下で長期培養し、これらT細胞の各種癌細胞株に対する細胞傷害能をIFN7γ,^<51>遊離法で検討したところ、HLA-Cw0102拘束性C比株を樹立することができた。そこで、このCTLにより認識されるHLA-Cw0102陽性食道癌細胞株TEのcDNAライブラリーを製作し、HLA-Cw0102拘束性癌退縮抗原遺伝子の解析を以下のような方法で行った。HLA-Cw0102のプラスミドとTE8のcDNAライブラリーをCOS7(サル腎細胞株)にダブルトランススフェクトし、この遺伝子導入COS7とHLA-Cw0102拘束性癌特異的キラー細胞とを混合培養した。その上清のIFN-γ産生量をELISAにて測定することで目的の遺伝子を2種類同定することができた。これらの遺伝子をジデオキシン法にて塩基配列を解析し、全塩基配列を決定したところ、それぞれubiquitinとhiston H1 genomic DNAと同一のものであった。現在、これらの遺伝子のアミノ酸配列を決定し、それに基いてペプチドを製作を行っている。それらを自家Bcell由来のEBV-transfered Bcell lineへ結合させ、樹立した自家の癌特異的キラー細胞と反応させ、IFN-γ,^<51>Cr遊離法で測定する。その結果より癌抗原ペプチドを同定する予定である。
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