研究課題/領域番号 |
09771044
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲村 孝紀 九州大学, 医学部, 助手 (50274460)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | Microsatellite / Glioma / ACNU / microsatellite instability / Chenctherapy |
研究概要 |
31例の脳腫瘍パラフィン標本を用いて、DNAを抽出し患者の白血球内に存在するDNAとマイクロサテライト領域の長さの違いを検討し、マイクロサテライト不安定性、すなわちDNA修復酵素の異常の有無を推測した。さらに患者の転帰を検討することにより、アリキル化剤ACNUの効果との相関も検討した。 マイクロサテライト領域は2、5、10、11、13番染色体上の5つのマイクロサテライト領域について検討したところ、10番染色体上のマイクロサテライト領域の不安定性を悪性のgliomaで検出した。この異常はglioblastomaよりもanaplasticastrocytomaで高頻度に検出された。このマイクロサテライト領域はgliomaの悪性化に関与するとされている領域のすぐ近くにあり、この領域の異常を検出している可能性もあった。アリキル化剤ACNUの治療効果との検討では、この薬剤に反応しにくいglioblastomaよりも、この薬剤に反応したanaplastic astrocytomaにおいてマイクロサテライト不安定性を認めた。しかしながらanaplastic astrocytoma8例の検討では、マイクロサテライト不安定性を認めた4例は生存期間が短く、認めなかった4例は生存期間が長かった。 マイクロサテライト不安定性はDNA修復酵素の異常を反映しているものと考えられており、gliomaの組織においてこれらの異常が認められたことは、gliomaの悪性化にDNA修復酵素の異常が関与していることが考えられた。
|