研究概要 |
骨粗鬆症は、転倒・骨折と関連して高齢者の身体活動低下をもたらす要因の一つと考えられており、予防の必要性が指摘されている。骨量維持のための運動療法は、ホルモン療法、食餌療法と並んで予防の一つの柱であるものの、介入効果は明確ではない(Chesnut CH.1993)。これまでの介入研究の多くは有酸素的運動負荷量を処方量の基準としているが、これは必ずしも骨への負荷量を示すものとは言えず妥当な運動負荷であったか判断することはできない。そこで本研究では骨の荷重量に基づいた運動療法プロトコルを作成することを目的とし力学的運動分析を行った。 下肢に特別な既往のない65歳以上の高齢女性30名を対象とした。実験に先立って、実験計画を説明し実験参加への意志を書面により確認した。被験者の体重、身長、膝関節伸展筋力を測定した後、台からの飛び降り、階段昇降、踵の上げ下げを行わせた。三次元動作解析装置(VICON370,Oxford Metrics社製,UK)により、大転子、膝関節裂隙、外果、第5中足骨頭の位置を測定し、床反力計(AMTI社製,USA)より得られる動作時の床反力とあわせて、Link segment modelを用いて大腿骨近位部にかかる力を求めた 大腿骨近位部の骨長軸に対する荷重は、20cmの台から膝伸展位で飛び降りる場合が最も高く (平均1184N)、逆に最も低いのは毎分40回の踵の上げ下げ(平均400N)であった。分散分析のposthocテストから5つのサブグループ運動に分けられた。
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