研究課題/領域番号 |
09771177
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
古谷 良輔 横浜市立大学, 医学部, 助手 (30275036)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 神経型ニコチン受容体 / ラット内側手綱核急性単離ニューロン / Thippental / AMPA受容体 / バルビツレート |
研究概要 |
我々はラット褐色細胞腫由来のPC12細胞において、チオペンタール、プロポフォール、ケタミンが神経型ニコチン受容体を臨床使用濃度で強く抑制する事を報告してきた。中枢神経系のニコチン受容体は交感神経系のものとはサブユニット構成や薬理学的性質が異なることが知られている。本年度は中枢神経系のニコチン受容体に対する麻酔薬の作用を明らかにするため、ラット中枢神経系細胞を用いてチオペンタールのニコチン応答電流に対する作用を検討した。 (方法)SD系ラットの内側手綱核(MHb)から急性単離したニューロンを用いて、whole cell voltage clamp法によりニコチン10μMの急速投与に対する応答電流を測定した。チオペンタールを3-100μMで同時投与し、ピーク電流及びニコチン投与終了時の電流に対する影響を検討した。 (結果)MHbから得られたニューロンのうち、約40%にニコチンによる応答電流が認められた。この電流はニコチン投与中に脱感作により減弱し、神経型ニコチン受容体の阻害薬であるヘキサメトニウム10μMにより強く抑制されたため、神経型ニコチン受容体を介した応答電流であると考えられた。チオペンタールは可逆的かつ用量依存性にこの電流を抑制し、ピーク電流及びニコチン投与終了時の電流に対するIC50はそれぞれ35.0±7.64μM、23.0±2.58μMであった。また高濃度チオペンタールはニコチン投与中の電流の減弱を促進した。 (結論)ラットMHbニューロンにおいて、チオペンタールは臨床使用濃度でニコチン応答電流を可逆的、用量依存性に抑制する。
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