研究課題/領域番号 |
09771254
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中原 健次 山形大学, 医学部, 助手 (80250934)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 卵胞発育 / 卵胞閉鎖 / アポトーシス / 顆粒膜細胞 / 卵巣 / マクロファージ / マウス |
研究概要 |
実験動物として、3週齢の幼若B3C6F1マウスを用いた。理由として、出生後の発育期において卵巣のダイナミックな構築改編が起こり、生理的条件下で発育卵胞のみならず閉鎖卵胞および顆粒膜細胞のアポトーシスが多く観察されるからである。電顕標本の固定法の中でも、膜構造レベルまで保存できる三重固定法を行い、超薄切片を作製し閉鎖卵胞を観察した。光顕レベルでは、標準的な固定・埋没法を用い薄切後ヘマトキシリン-エオジン染色を行い、卵巣の構築を観察した。その後、凍結固定法を用いて切片を作製し、免疫組織化学法にて染色し観察した。抗マクロファージモノクロ抗体は、標準的なF4/80およびMac-1を用いた。 電顕レベルの観察結果:閉鎖卵胞は、卵を取りまく重層の顆粒膜細胞層においてその数が炎症所見なしに減少し消滅していく。比較的晩期まで卵胞の外側を構成する基底膜の形態が保たれており、外からマクロファージが侵入した形跡は見られなかった。ただし、好中球の侵入所見はいくつかの閉鎖卵胞において認められた。形態的な鑑別点としては、顆粒膜細胞に特有なギャップ結合の有無を根拠としたが、形態的にマクロファージに似ている細胞が見られても、全てにギャップ結合が認められており顆粒膜細胞と判断した。つまり、閉鎖卵胞においてアポトーシス細胞を貪食するのはマクロファージではなしに、隣接する顆粒膜細胞であることが判明した。また、発育卵胞においても、卵胞内にマクロファージの存在は証明されなかった。 光顕レベルの観察結果:脾臓と腹腔内炎症反応細胞を陽性コントロールとして卵巣凍結切片を染色したが、陰性であった。ただし、陰性コントロール標本において、非特異的染色が確認されたため、現在、抗体の質および凍結固定法の内容にについて検討中である。また、マクロファージの抗原多様性の問題から、他の抗マクロファージ抗体の使用についても検討中である。
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