研究課題/領域番号 |
09771259
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木村 昌由美 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40216859)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 更年期 / 睡眠障害 / ホルモン / サイトカイン / コロニー刺激因子 / エストロゲン |
研究概要 |
女性としての一生は、男性のそれと比較して、生殖に関連した出来事にかなり健康上の制約を受ける。特に平均余命が延長された現在では、更年期をいかに快適に過ごすかは多くの女性にとって重要な問題である。閉経が近づくにつれ経験される症状として、顔面紅潮、悪寒、頭痛、過敏、うつ病などが更年期症候群に含められているが、不眠症や骨粗髭症なども更年期に関連して起こる障害として新たに認められるようになってきた。更年期に生じる睡眠障害には、卵巣ホルモンの枯渇や成長因子の産生低下に起因する免疫系の抑制が関係すると考えられる。本年度は、これらの要因が基本的な睡眠-覚醒リズムにどのような影響をおよぼすかについて、ラットを用いた基礎実験系にて検討を加えた。 1. 更年期に減少する成長因子である顆粒球/マクロファージ.コロニー刺激因子(GM-CSF)、ならびにマクロファージ.コロニー刺激因子(M-CSF)はともにレム睡眠を促進する。しかしながらこれらの作用機序は異なり、GM-CSFに関しては視床下部からのソマトスタチン放出を誘発し、一方M-CSFは下垂体からの成長ホルモン分泌を促進してそれぞれ間接的にレム睡眠を増加させることがわかった。これら2つのホルモン分泌は、どちらも両コロニー刺激因子によって視床下部弓状核から一酸化窒素の遊離を介して調節されていた。 2. M-CSFが遺伝的に産生されないマウス(op/op)において自発活動量を調べた結果、恒暗条件下でフリーランせず、概日リズムが24時間周期より短いことが示された。 3. 更年期に増加する成長因子であるインターロイキン6は免疫抑制能を持つことから、その睡眠阻害効果について検討したが、発熱を誘発する用量が得られず、睡眠-覚醒リズムに対する影響は判明しなかった。 4. 卵巣摘出した若い雌ラットにエストロゲンの補充投与をすると、投与以前と比較して、高振幅な脳波を伴なう深いノンレム睡眠が増加する傾向を示した。
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