研究課題/領域番号 |
09771269
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
那波 明宏 名古屋大学, 医学部, 助手 (90242859)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 卵巣癌細胞株 / フィブロネクチン / MMP9 / FAK / dominant-negative Ras / MAPK / インテグリン-FAK-Ras path way / MMP-9 / phosphorothioate antisense oligo |
研究概要 |
本研究では、卵巣癌細胞株を用いて、フィブロネクチン(FN)によるMMP-9分泌増強のメカニズムを解明することを目的とした。囮からの細胞内へのシグナル伝達はそのレセプターであるインテグリンα5β1を介すると考えられる。そのため、その下流に存在し、FNのシグナル伝達に重要な役割を果たしていると考えられるFocal adhesion kinase(FAK)及びその活性化に関わっていると考えられているRas遺伝子に着目した。FAK antisense-oligonucleotides 20μgをエレクトロポレーションにより卵巣癌細胞株に導入しFNによるMMP-9分泌をザイモグラフィーで調べたところFAK sense-oligonucleotides 20μg導入細胞及び非導入細胞と比べそれそれ1/2に低下した。次に、dominant-negative Ras導入卵巣癌細胞株5クローンを得た。このクローンのうち、mutant Ras蛋白発現の低発現株、高発現株において、FNによるMMP-9分泌を非導入細胞と比較した。ザイモグラフィーでの検討によりそれぞれ1/2、1/3に低下していた。このことから、フィブロネクチン(FN)によるMMP-9分泌増強のpath wayとしてFAK、Ras遺伝子が関与していることが証明された。さらに、FNによりmitogen-acttivated protein kinase(MAPK)の活性が亢進することが知られているが、FAK-Ras path wayを介しているかどうかは確定していない。この活性は、dominant-negativeRas導入卵巣癌細胞、FAK antisense→oligonucleotides処理卵巣癌細胞株にてそれぞれ1/3および1/2に低下した。以上のことから、MAPKがMMP-9分泌増強に関与したインテグリン-FAK-Ras path wayに関わっていることも示唆された。
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