研究課題/領域番号 |
09771274
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 助手 (80283597)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 卵巣癌 / シスプラチン / アポトーシス / hCG / 卵巣表層上皮細胞 / ゴナドトロピン / HCG / IGF-1 |
研究概要 |
目的 卵巣癌細胞のin vitroモデルを用い、ゴナドトロピンのひとつLH/hCGがシスプラチン誘導性アポトーシスに与える影響を解析した。さらにこの細胞内シグナルの制御がシスプラチン感受性を亢進させる可能性を検討した。 成績 LH/hCG受容体の発現は、臨床卵巣癌症例の約半数に認められた。LH/hCG受容体陽性の卵巣癌細胞株OVCAR-3において、hCG添加はシスプラチンによるアポトーシスを58%抑制した。また、hCG添加によりアポトーシス関連遺伝子のうちIGF-1のmRNA発現が著明に誘導され、IGF-1自体を添加してもアポトーシスが抑制された。また、IGF-1遺伝子に対するantisenseRNA発現ウィルスは、IGF-1蛋白発現を抑制し、hCG/IGF-1によるアポトーシス阻害を解除した。 結論 (1)卵巣癌の多くがLH/hCG受容体を発現し、hCGはIGF-1の発現誘導とその細胞内シグナルを介してシスプラチンによるアポトーシスを抑制した。すなわち、ゴナドトロピンおよびIGF-1は卵巣癌細胞のシスプラチン抵抗性因子であり、IGF-1シグナルの遮断によりシスプラチン感受性が高められると考えられ、実際、IGF-1遺伝子に対するantisenseRNA発現ウイルスにより、卵巣癌細胞のシスプラチン感受性は亢進した。IGF-1などアポトーシス関連遺伝子を標的とした遺伝子治療は化学療法抵抗性を克服する将来の卵巣癌治療法となりうる可能性が示唆される。
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