研究課題/領域番号 |
09771301
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
吉岐 潤子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20255516)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ガラクトース転移酵素 / TLC-免疫染色法 / ELISA法 / 子宮体癌 / 1型糖鎖 / 2型糖鎖 / TLC免疫染色法 |
研究概要 |
β1-3、β1-4ガラクトース転移酵素(GT)はそれぞれ1型および2型基幹糖鎖を合成する糖転移酵素である。癌細胞膜に発現される糖鎖は転移などの細胞特性に関与することが知られており、これら糖鎖の発現を規定する糖転移酵素の測定系の開発やその発現に関する解析は、婦人科癌における細胞の特性の解明やその質的診断のために必須となってきた。既に我々は、婦人科癌由来培養細胞ならびに癌組織のβ1-3、β1-4GT活性とmRNAならびにGTタンパクの発現との関連について解析し、以下の結果を得た。 1) 1型糖鎖を優位に発現する体癌由来株ならびに体癌組織におけるβ1-3GT活性は2型糖鎖を優位に発現する頚癌や卵巣癌に比べ、高値を示した。一方、β1-4GT活性は体癌に比べ頚癌や卵巣癌で亢進しており、GT活性と糖鎖の発現に関連が認められた。 2) β1-4GT活性が低下した株では、β1-4GTのmRNAおよびタンパクの発現は著明に低下していた。今回は、免疫染色法を用いて婦人科癌由来培養細胞におけるβ1-4GTの発現を検討した。方法:GT活性を検討した婦人科癌由来培養細胞についてβ1-4GTに対するモノクローナル抗体を用いた免疫染色によりβ1-4GTの発現を検討した。成績:体癌由来株は頚癌、卵巣癌由来株に比し染色頻度、強度共に弱いβ1-4GTの発現を示した。結論:婦人科癌では、GTが糖鎖発現を規定する因子の一つであることを我々が独自に確立した測定系を用いて明らかにし、また婦人科癌由来培養細胞におけるβ1-4GT活性の発現との関連を明らかにした。以上の成績をもとに、今後GTの測定が婦人科癌の質的診断に応用し得るかを検討するため、更なる研究を進めている。
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