研究課題/領域番号 |
09771335
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内藤 理恵 東京大学, 保健管理センター, 助手 (10282667)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ミエリン / 聴覚伝導路 / ABR / 蝸電図 / ミュータントハムスター / ミエリン形成不全ハムスター / 生理学 / 形態学 |
研究概要 |
黒色で振戦を伴うミュータントハムスター″blacktremor″は、近年、日本生物学研究所で発見・維持されているミュータントで、中枢神経系のミエリン形成不全をきたすことが明らかになってきた。しかし、その聴覚系の生理学的・形態学的所見についての報告は国内はもとより海外でも未だ報告がなかった。 このミュータントハムスターの聴覚伝導路の異常について研究し、電気生浬学的および形態学的所見に関して、世界で初めて国際誘発電位学会にて報告した。すなわち、聴性脳幹反応(ABR)の全波形の潜時延長と振幅の減少を認め、脳幹聴覚伝導路のミエリン形成不全による活動電位の伝導速度の遅れや発火同期性の低下が生じていることが示唆された。また、禍電図(AP)では、潜時延長と振幅の減少をきたしたことと、ABR第1波の潜時延長の結果から、このミエリン形成不全ハムスターでは、中枢神経のみならず、末梢神経系である蝸牛神経遠位部から障害されていることが示唆された。この内容については、現在論文投稿中である。さらに、形態学的な検索を進め、光学顕微鏡所見から、禍牛神経核から下丘にいたる脳幹聴覚伝導路において、髄鞘形成不全の存在が確認された。また、蝸牛および禍牛神経の電子透過顕微鏡所見から、らせん神経節を覆うミエリン鞘に異常がみられることがわかってきた。現在この所見についての論文発表を準備中である。
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