研究課題/領域番号 |
09771362
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
高木 誠治 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60284634)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 嚥下 / 延髄 / 孤束核 / 上喉頭神経 / ネコ / 嚥下関連ニューロン / 弧束核 / 上咽頭神経 |
研究概要 |
喉頭粘膜からの末梢性情報は、上喉頭神経および舌咽神経をおもな入力路として延髄孤束核に中継され、その後の中枢過程で、嚥下や咳嗽といった上気道防御反射が惹起される。また、嚥下活動における筋活動は左右対称性であるとされており、我々はこれまでにネコを用いた脳幹切断実験や破壊実験などから、嚥下の左右同期性出力に関与すると思われる、脳幹内における末梢性情報の対側投射経路について検討してきた。その結果、一側脳幹への上喉頭神経を介する入力が、延髄の広い範囲にわたって対側へともたらされることが判明した。現在、対側延髄の電気刺激に対する延髄嚥下関連ニューロンの逆行性応答を細胞外記録法にて記録同定し、対側延髄への投射経路の詳細を検討している。具体的には、延髄小細胞性網様体にて同定された嚥下関連ニューロンにおいて、対側延髄の疑核(嚥下関連運動核)領域からの逆行性応答を記録している。そして、逆行性刺激に応答したニューロンの存在部位と、刺激部位との位置関係には、これまでのデータからは明らかな相関はみられない。この結果は、我々の対側嚥下関連ニューロンへの延髄内投射は広範囲にもたらされるという報告を裏付けるものである。今後はさらにsampleを増やし、検討を重ねていく予定である。 さらに、in vivo patch clamp法を用いてラットの脊髄後角侵害受容ニューロンの細胞膜電位記録を行い、末梢からの疼痛、触刺激および熱刺激にたいするdirectな応答の解析を検討している。この結果、これまでに脊髄膠様質において、疼痛刺激および触刺激には応答するものの、熱刺激には応答しないニューロンが記録された。今後は本研究の手技を、孤束核嚥下関連ニューロンに応用し、嚥下や咳嗽といった様々な上気道防御反射の惹起に関する末梢知覚情報の処理について検討を行う予定としている。
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