研究課題/領域番号 |
09771383
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
志和 成紀 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (20235766)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | KGF / IL-1α / in situ Hybridization / paracrine regulation / middle ear cholesteatoma / Interleukin-1 |
研究概要 |
中耳真珠腫の上皮増殖について上皮下の結合組織内の線維芽細胞や炎症細胞などが影響を及ぼしており、種々のサイトカインが介在し、上皮増殖・分化の制御が営まれていると考えられる。 今回表皮細胞の増殖を促すKGFとIL-1αに注目し、中耳真珠腫組織におけるKGFの局在を明らかにし、上皮下結合組織内の細胞動態をあわせて検討することとヒト線維芽細胞の細胞培養を行い、KGFの抽出を行い、IL-1αなど種々のサイトカインを培地に加えることでKGF産生に及ぼす影響を検討し、KGFを中心にサイトカインによる真珠腫の上皮増殖の調節機構を解明することを本研究の主眼とした。 結果は、in situ Hybridization法を用いて検討を行った。上皮下の結合組織が厚く炎症細胞湿潤の多い群では上皮下結合組織が薄く炎症細胞浸潤の少ない群と比較してみると炎症の多い群ではKGF-mRNAのシグナルの発現が上皮下の線維芽細胞に認められたが、炎症の少ない群ではシグナルの発現は認められなかった。これらの結果より、炎症の多寡によってKGF発現に影響を及ぼすことがわかった。また、同一組織内でも部位によっては炎症細胞の浸潤度が異なり、KGF-mRNAのシグナルの発現が影響される傾向がみられた。我々は、これを組織内微小環境の差異として捉えた。 表皮細胞の培養実験では、IL-1αにて細胞を刺激するとがKGFの発現が亢進することが解っているが、今回ヒト線維芽細胞を用い、細胞培養を行った結果、IL-1αの濃度を変えて培養を行うと抽出されるKGFもdose dependentに増える傾向が見られた。 これらの研究結果から、真珠腫上皮の増殖機序には組織内に生じた炎症によってサイトカインが放出され、主に線維芽細胞を刺激し、そこから産生されるKGFによって上皮の基底細胞に影響して細胞増殖が惹起される機構があると示唆された。
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