研究課題/領域番号 |
09771402
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
吉川 欣亮 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究部門, 研究員 (20280787)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 遺伝性聴覚障害 / 内耳有毛細胞 / マウス / キネシン / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
内耳有毛細胞の機能および形態形成に関与する分子を探索するため、有毛細胞の不動毛形成に以上を示すミュータントマウスの一つであるJacson shaker(js)マウスの原因遺伝子の単離および機能解析を行った結果、以下に示すような知見が得られた。 昨年度報告したように、連鎖解析によって明らかとなったjsマウスの原因遺伝子の存在が予想される第11番染色体の約1.3Mbの領域から発現遺伝子の単離を行った結果、数種の遺伝子が単離され、そのうちの1種の遺伝子で野生型との変異部位が検出された。この遺伝子断片をプローブとし、蝸牛管由来のcDNAライブラリーのスクリーニングし、単離した遺伝子断片のホモロジー解析を行った結果、新規のキネシン様蛋白質であることが明らかとなった。さらに、jsマウスにおける変異部位は保存されているキネシンモータードメイン内のミスセンス突然変異であった。 この遺伝子の遺伝子発現をホールマウントin situ ハイブリダイゼーションにより観察した結果、12.5日目の胎仔で耳胞で発現が認められ、その後の発現時期の観察をRT-PCR法により観察した結果、生後まもなく強い発現が認められた。また、ノーザン解析により主要臓器での発現パターンを観察した結果、精巣でのみで強い発現が認められた。一方、蝸牛管由来のcDNAライブラリーのスクリーニングおよび3'race法による完全長cDNAの単離を行う過程で4種のアイソフォームを単離した。これら全てのアイソフォームはモータードメインを完全に含んでいたが、イントロンの発現により3'側のエクソンが欠失していた。 このキネシン様蛋白質が有力な候補遺伝子と考え、現在トランスジェネシスによる突然変異体のレスキューを試みている。この遺伝子が約60kbと非常に大きいこと、数種のスプライシングアイソフォームが存在することからBACトランスジェネシスの実験系を用いて行っている。
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