研究課題/領域番号 |
09771469
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
黒坂 大次郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20215099)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 水晶体上皮細胞 / アルファ平滑筋線維アクチン / インテグリン / ファイブロネクチン / 細胞外基質 / 増殖因子 |
研究概要 |
上皮細胞におけるアルファ平滑筋線維アクチン発現の制御因子を明らかにする目的で以下の実験を行った。 1. 生体内における各種制御因子の発現についての検討 インフォームドコンセントを得た上で白内障手術の際に採取した前嚢下白内障の前嚢片に対す免疫組織科学的検索では、前嚢下白内障の混濁部の水晶体上皮細胞は、アルファ平滑筋線維アクチン(α-SMA)陽性の紡錘形をした筋線維芽細胞様細胞であった。これらの細胞は、α5β1インテグリンに陽性で、その周囲には、フィブロネクチンが存在していた。一方、通常の水晶体上皮細胞及び前嚢下白内障のない症例の前嚢片の水晶体上皮細胞には、これらα5β1インテグリン及びフィブロネクチンは、認められなかった。以上のことより、α-SMAを細胞が発言するのにあたっては、細胞外基質及びそのレセプターの発現の変化を伴うことが分かった。 2. 白内障術前後における制御因子(TGF-β2)の変化 白内障術後には、特異的にこのα-SMA陽性の細胞が出現する。従って、術前後でTGF-β2の濃度に変化があることが想像される。家兎を用いた術前後の房水中のTGF-β2濃度をコラーゲンゲルモデルを用いた間接的な定性分析では、術後房水中にあるα-SMA陽性の細胞へ変化させる因子の主体は、TGF-β2であるものの術前後ではこの因子の増加が認められずむしろ別の因子が関与していることが示唆された。
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