研究課題/領域番号 |
09771509
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
村木 祐孝 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20265002)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 抗Fasモノクロナール抗体 / 口腔扁平上皮癌 / アポトーシス / 培養細胞 / 免疫組織化学 / RT-PCR法 / 扁平上皮癌 / 化学療法 |
研究概要 |
1) 口腔外科的処置により採取した扁平上皮癌(SCC)の初代培養細胞ならびにSCC-25をはじめとする業者より入手可能なSCC細胞を用いて、酵素抗体法ならびにWestern blotting法によりFas抗原の発現が可能であった。 2) 各種条件下(経日的変化および制癌剤併用)において抗Fasモノクロナール抗体処理による吸光度計を用いた細胞傷害活性化試験を行った結果、抗Fas抗体投与は各種SCC細胞に対してそれぞれ細胞障害活性を示し、特にペプロマイシンとの併用群においてその効果は最も顕著であった。またSerum Freeの条件下では時間依存的に細胞障害率が上昇した。 3) 抗Fas抗体処理群では、ヘキスト核染色によりアポトーシスに特徴的な所見とされている核の凝集、断裂を起こした細胞が確認された。また抽出したDNAを電気泳動した結果、処理群のサンプルではDNAの断片化によるものと思われるラダーパターンが検出された。以上の結果は、抗Fasモノクロナール抗体が各種SCC培養細胞にアポトーシスを誘導することを意味する。 4) RT-PCR法により、SCC-25をはじめとする各種培養細胞内におけるFas mRNAの発現が確認された。 5) In vivo系としてマウスDMBA誘発癌に対して抗Fas抗体の局所投与を行い、経日および抗癌剤併用による腫瘍縮小効果が確認された。肉眼的腫瘍縮小効果と病理学的奏功度との間には関連性が認められ、免疫組織学的にもアポトーシス発現が誘導されていた。 (総括)In vitro系、In vivo系ともに抗Fasモノクロナール抗体が口腔扁平上皮癌に対して制癌作用をもち、これらはアポトーシスの誘導によるものである可能性が示唆された。
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