研究課題/領域番号 |
09771515
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京農業大学 (1998) 明海大学 (1997) |
研究代表者 |
真野 博 東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (20265359)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 骨 / 破骨細胞 / レチノイン酸 / プロスタグランジン / 遺伝子発現 / ビタミンD / ヘッジホッグ / 受容体 |
研究概要 |
破骨細胞は、正常な骨の発達や骨粗髭症などの骨代謝疾患に大きく関与している。しかし、破骨細胞は存在量が少なく、また、培養株細胞が存在しないため解析はこれまで困難であった。そこで、我々は成熟破骨細胞のみでの骨吸収を測定する新規の方法を開発し、この方法を用い破骨細胞における細胞増殖因子・脂溶性リガンド作用の解析を行った。 昨年度は、ビタミンDによる破骨細胞骨吸収活性化には、ビタミンDとヘッジホッグの情報伝達のクロストークの存在する可能性を示した。さらに、これまでレチノイン酸の前駆体と考えられていたレチノールが、新たなメカニズムで破骨細胞に作用することを見い出した。 本年度は、脂溶性リガンドの一つであり、リュウマチなどの骨疾患やアテローム性動脈硬化、脂肪代謝に深く関与するプロスタグランジンに着目した。その結果、破骨細胞においては、いくつかのプロスタグランジン(PG)が作用し、PGE2やPGF2αは破骨細胞に存在するEPレセプター、FPレセプターと呼ばれる膜受容体を介し機能していた。一方、プロスタサイクリン(PGI2)も成熟破骨細胞を直接活性化するものの、膜受容体ではなく、核内受容体のPPARδ/βを介していることを明らかにした。すなわち、PGI2はPPARδ/βを介して、カテプシンKなど骨吸収に深く関与する遺伝子の発現を誘導することで、破骨細胞を活性化していると考えた。 本研究により、これまで直接作用のメカニズムがほとんど不明であった破骨細胞の骨吸収活性調節機構の一部を明らかにすることができた。
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