研究概要 |
RT-PCR法,cDNA library スクリーニングを行い、ラットBMP-2,BMP-4およびMsx-1,Msx-2の遺伝子をクローニングした。ラット胚(胎生9.5日から12.5日)におけるin situhybrldizationにより、BMP-2.-4.およびMsx-1.-2の発現を解析したところ、顔面の初期発生過程において、BMP-2,BMP-4は時期特異的、領域特異的に発現しその発現領域はMsx-1,Msx-2の発現領域と亀なっていた.ラット12.5日胚の顔面突起において、BMP-2,-4は上皮とその直下の間葉細胞に発現が見られ、Msx-1,Msx-2の発現はBMP発現領域を含む上皮と間葉により広く見られた。ラット12.5日胚の下顎突起の器官培養にBMP-ビーズを埋植させた実験の結果から、BMPによってMsx-1,Msx-2の発現が誘導され、異所性に軟骨組織が誘導された。また同様な器官培養系にAntisense Oligonucleotideを導入しMsx-1,Msx-2の発現を阻害する実験を行ったところ、下顎軟骨に形態異愉が見られた。以上のことがら、頭蓋顔面の発生過程において、BMPの機能は頭部神経堤細胞を軟骨へ分化誘導することでり、さらにMsxのようなホメオポックス遺伝子の発現を調節することにより軟骨の形態形成をも調節していることが明らかとなった。
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