研究課題/領域番号 |
09771534
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
増田 裕次 大阪大学, 歯学部, 助手 (20190366)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 咀嚼 / 大脳基底核 / 線条体 / 単一神経活動 / ウサギ |
研究概要 |
本研究では、口顎協調運動に関係のある咀嚼野からの投射を受けている線条体部位を同定し、その領域のニューロンの咀嚼中の活動様式を明らかにすることを目的とした。 1. まず、ウサギ大脳皮質咀嚼野から線条体への投射をWGA-HRPを用いて解剖学的に検索するために、WGA-HRPを咀嚼野に注入すると、前交連より尾側の被殻に標識終末が認められた。 2. 無麻酔動物の咀嚼中にこの被殻尾側部からニューロン活動を筋電図活動、顎運動と同時に記録し、ニューロンの活動様式を分析した。さらに、同様に淡蒼球からもニューロン活動を記録、分析した。その結果、約60%のニューロンが咀嚼に関連した活動を示し、咀嚼のstageの変化に伴って活動が変化した。過去の研究から食物摂取から嚥下に至るまでの一連の咀嚼は咀嚼開始から取り込んだ食物を臼歯部に移送するstageI、食物を臼歯部で粉砕するstageIIa、咀嚼終了直前のstageIIbの3つの過程に区分されいる。記録されたニューロンの活動様式から2つのタイプが認められ、ひとつは一連の咀嚼中にstageの変化に伴って一度だけ活動を変化するもの(単純型)、もうひとつは一連の咀嚼中にstageの変化に伴って複数回活動を変化するもの(複雑型)であった。被殻から記録されたニューロンのほとんどは単純型であったのに対し、淡蒼球から記録されたニューロンの約30%は複雑型であった。 3. これらの結果から被殻および淡蒼球は咀嚼の遂行、特に咀嚼のstageの変化に重要な役割を演じていることが示唆された。
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