研究課題/領域番号 |
09771540
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
植田 栄作 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Mn-SOD / 扁平上皮癌細胞 / アポトーシス / ミトコンドリア膜電位 / caspase-3 / PARP |
研究概要 |
扁平上皮癌細胞株において、以下の点が明らかとなった。 1. Cu-Zn-SOD活性はγ線および抗癌剤に対する感受性と関係しないものの、Mn-SOD活性は、細胞株により大きく異なり、γ線および抗癌剤によるアポトーシス誘導と相関した。 2. Mn-SOD活性とγ線および抗癌剤処理後の癌細胞内のO_2およびH_2O_2レベルは逆相関し、ミトコンドリアの膜電位の低下、チトクロームCの放出と逆相関した。 3. Mn-SOD活性の高い癌細胞では、caspase-3の活性化は弱く、PARPの不活化(断片化)の程度は弱く、アポトーシスが誘導され難かった。 4. Mn-SOD antisenseをトランスフェクトすることにより、アポトーシスが強く誘導された。 5. cell free系において、活性化したcaspase-3を含むcytosolを未処理細胞から得たミトコンドリアに加えると、チトクロームCの放出が上昇した。 以上の点より、扁平上皮癌の治療においてMn-SOD活性(活性酸素消去能)を考慮に入れて治療を行う必要があることが明らかとなると共に、Mn-SODのアンチセンス取り込み療法は、1つの治療手段になりえることが示唆された。なお、ミトコンドリア膜電位の低下→チトクロームC→Apaf1→Apaf3(caspase-9)の経路のいずれかのところにcaspase-3が作用し、caspase活性化の増幅回路の存在が示唆され、この点を現在、検討中である。
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