研究課題/領域番号 |
09771562
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊本 裕行 東北大学, 歯学部, 助手 (70215028)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 歯原性腫瘍 / 細胞接着分子 / 免疫組織化学 / 細胞間接着装置 / 微細構造 / 歯原性上皮 / E-カドヘリン / αカテニン |
研究概要 |
歯原性上皮の腫瘍化における細胞接着の動態を解明するため、歯原性上皮由来の腫瘍における上皮性細胞同士の接着に関与する接着分子E-カドヘリンおよびカドヘリンの細胞質内裏打ち蛋白αカテニンの発現・局在の免疫組織化学的検索を追加するとともに、透過型電子顕微鏡を用い細胞間接着装置の微細構造を観察した。 1. 細胞接着分子の免疫組織化学的検討(前年度の追加) エナメル上皮腫24例(濾胞型13例、叢状型11例で、棘細胞腫亜型6例、顆粒細胞亜型4例を含む)、歯原性石灰化上皮腫2例、歯原性淡明細胞腫1例、悪性エナメル上皮腫2例について、E-カドヘリンおよびαカテニンに対する免疫染色を行った。エナメル上皮腫では、濾胞型・叢状型ともに、基底膜に接する部位を除く細胞膜領域にE-カドヘリンおよびαカテニンの発現がみられた。いずれも、胞巣周辺の円柱状細胞よりも胞巣中央の多角形細胞で発現は強かった。角化部で発現は消失し、顆粒細胞で発現は減弱した。歯原性石灰化上皮腫および歯原性淡明細胞腫では、基底膜に接する部位を除く細胞膜領域に一様にE-カドヘリンおよびαカテニンの発現がみられた。悪性エナメル上皮腫では、1例はE-カドヘリンおよびαカテニンの発現が保たれていたが、1例では発現の減弱が認められた。 2. 細胞間接着装置の微細構造的検討 エナメル上皮腫7例(濾胞型4例、叢状型3例で、棘細胞腫亜型1例、顆粒細胞亜型3例を含む)、歯原性石灰化上皮腫1例、歯原性淡明細胞腫1例について、超薄切片を作製し透過型電子顕微鏡で観察した。エナメル上皮腫では、腫瘍細胞間にデスモゾームが認められ、胞巣周辺の円柱状細胞よりも胞巣中央の多角形細胞で多かった。角化部で細胞間接着装置はみられず、顆粒細胞で少数のデスモゾームがみられた。歯原性石灰化上皮腫および歯原性淡明細胞腫では、腫瘍細胞間に一様にデスモゾームが散見された。
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