研究課題/領域番号 |
09771629
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松下 健二 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90253898)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Streptococcus mitis / スーパー抗原 / 敗血症 / 重症敗血症性ショック / viridans sreptococci |
研究概要 |
重症敗血症とStreptococcus mitisおよび同菌の産生するスーパー抗原との関連ならびにその発症メカニズムを明らかにするために、以下の実験を行ない、いくつかの興味深い知見を得た。 1. 重症敗血症患者末梢血中のS.mitisの分離頻度 重症敗血症患者11名の末梢血から分離されたviridans streptococciに関して菌種の同定を行なった、その結果、11名のうち9名の末梢血中からS.mitisが分離された。 2. 分離されたS.mitisのスーパー抗原産生能 分離された9菌株をBHI brothで24時間培養し、上清を回収したその後、同上清中のスーパー抗原活性を検討した。まず、既知のスーパー抗原に共通の領域の部分合成ペプチド(9残基と18残基からなる)を合成し、これらをウサギに免疫して抗血清を得た。この抗血清をプローブにして、ELISA法で培養上清中のスーパー抗原の有無を検索した。その結果、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)を併発していた患者から分離したS.mitis培養上清に抗血清との高い反応性が認められた。次にこの上清をin vitroにおいてヒト末梢血に添加し、3日間培養後、末梢血の増殖反応およびIL-2の産生誘導能を調べた。その結果、同上清の添加によって有意に高い末梢血の増殖反応が認められた。またこの上清は、末梢血から有意に高いIL-2の産生を誘導した。 以上の結果から、重症敗血症の病因にS.mitisが関っていること、またARDSの発症には同菌の産生するスーパー抗原が関与している可能性が示唆された。現在、マウスを用いて同菌によるショック誘発実験を検討している。
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