研究課題/領域番号 |
09771664
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
|
研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
前川 佳徳 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80211556)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | マウス / 根尖病変 / 免疫抑制剤 / 免疫染色 / T細胞 |
研究概要 |
今回、免疫抑制剤(FK506)によって、T細胞の増殖抑制状態にあるマウスを用い、実験的に根尖病変を形成し、免疫組織化学的に検索した。 根尖病変中のT細胞数は、対照群、実験群ともに経時的に増加し、2、4、6週においてT細胞数は対照群に比べ実験群の方が有意に少なかった。Tヘルパー細胞数は両群ともに1週から4週にかけ増加し、4週から6週では減少したが、2、4、6週において対照群に比べ実験群ではTヘルパー細胞数は有意に少なかった。また、IL-2R陽性細胞数は、両群ともに1週から4週にかけ増加し、4週から6週では減少したが、2、4、6週では、対照群に比べ実験群では陽性細胞数は有意に少なかった。 上記の結果と、これまでの病理組織学的所見、組織形態計測学的所見から、露髄後1週つまり根尖病変の発症時点では、歯髄および根尖病変の組織所見は対照群とほとんど差はなかった。しかし、露髄後2週では対照群に比べ、歯髄壊死の進行が速く、根尖部歯根膜の炎症性細胞浸潤および歯槽骨の吸収像も急激に増加していた。また、露髄後2、4、6週では、病変中のT細胞、とりわけTh細胞、IL-2R陽性細胞の数は対照群に比べ有意に少ないことが免疫組織化学的観察より確認された。以上のことから免疫抑制剤FK-506を投与すると、その動物の実験的根尖病変は拡大傾向を示すことが示唆された。今後は、同試料を用いて、他の免疫担当細胞(B細胞・Ia抗原陽性細胞、およびマクロファージ等)の染色を行い、根尖病変の形成過程における病態を検索する予定である。
|