研究課題/領域番号 |
09771665
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
柵木 智晴 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30201768)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 根管充填材 / 吸収 / マクロファージ / 貧食 / 活性酸素 / 化学発光 / ケミルミネッセンス反応 |
研究概要 |
根管充填時に溢出した材料の排除機構においてマクロファージが重要な役割を果たしていると考えられる。前回までにラット腹腔より採集したマクロファージに各種根充用セメント粒子を作用させ、その貧食状態を多種の方法にて比較検討した。今回、食作用の過程で放出する活性酸素に起因する発光を量的に測定することにより、根充用セメント粒子に対する貧食度を、より詳細に確認することが目的である。すなわち、4種の代表的な根管充填材を硬化させ、微粒粉砕機にて粉砕し、粒子をHBSSに懸濁し、超音波槽及び超音波破砕機にて微細化し被検試料を作製する。ラット腹腔よりプロテオースペプトンにて誘導されたマクロファージを採取し、HBSSに浮遊させインキュベートし、細胞を付着させる。非付着細胞とリンパ球を除去するため HBSSにて洗浄した後、2.5mMEDTAを加えマクロファージを浮遊させる。細胞を洗浄後、500mM HEPESと1%ゼラチンを含むフェノールレッド不含RPMI1640にて1×10^6 Cells/mlに細胞浮遊液を調製する。化学発光測定装置に細胞浮遊液を各1mlセットした後、ルミノール液20μlを添加する。根管充填材粒子を含むフェノールレッド不含HBSSを0.1ml注入後、測定を開始し、蛍光量の増加を経時的に記録する。マクロファージが貧食時に放出する活性酸素(O_2^-)をルミノールにて増幅させた発光を量的に測定することにより、根管充填用セメント粒子の種類による貧食度を経時的に比較、検討する。前年度は化学発光測定装置の試験的作動、ならびに細胞、材料の適正濃度などを検索するための予備実験を行った。しかし、貧食させる根充材粒子自体の細胞障害性が高く、また各材料間における障害性の差が大きいうえに、微量の化学発光を検出する実験機器を使用するため、各試料を同濃度にて測定することが大変困難となった。また、今回の実験では単独チャンネルの機器での測定であり、複数サンプルを同一条件で一度に測定できないため、同一試料においても測定データのばらつきが大きく、有意差も認められない結果となった。マクロファージが貧食時に放出するライソゾーム性酸性フォスファターゼ活性の比較検討結果とも相関が認められず、今後、実験方法、測定濃度を再考して継続実験を行う予定である。
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