本年度はスポーツ時の下顎位の変化を調べるための基礎的調査として、最大握力発揮時の下顎位を中心に検討をした。 以下その項目を詳細に示す。 1)咬合状態の分類 咬合接触がある場合(咬合群)・咬合接触がない場合に分類(非咬合群) 2) 1)に基づく各群での下顎の変位量 a)下顎位の矢状面的変位量 b)下顎位の前頭面的変位量 3)咬合接触の有無と最大握力との相関 4)最大握力発揮時の閉口筋および開口筋の筋活動量 1)については、従来の報告では被験者の実験後の自己申告による報告のみであった。しかしながら、最大筋力発揮時に必ずしもすべてのものが咬合接触を伴ってはいないということが、今回ジ-シ-社製ナソヘキサグラフにより初めて客観的に確認された。 2)については、従来報告がなかった調査であり、咬合群の被験者では矢状面的に後方に下顎位が変位しつつ咬んでいるものが多いと言う新たな知見を得た。1)、2)は一部、The 70th Anniversary of the Indonesian Dental Educationにて発表される予定である。 3)については、咬合接触の有無と最大握力との間の相関関係は明らかではないが、現在さらに正確に分析中である。 4)については、次年度の研究段階として目下準備中である。
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