研究概要 |
本研究の目的は、(1)下顎運動(側方滑走運動と咀嚼運動)の軌跡と、(2)歯牙の咬合面形態の三次元的計測を行い、その両者をパーソナルコンピューター上でスーパーインポーズすることにより、その下顎運動と歯牙咬合面形態との関連性を検討し、機能に即した補綴物咬合面形態の作製法を得るための基礎的情報を収集することであった。そして平成9年度はデータ収集を行う期間とし、平成10年度は、(1)(2)のデータのサンプル数の増加と研究結果の解析・考察・成果発表をその目的としていた。 (1)(2)のデータのサンプル数は、本研究を実証するのに充分と思われる、当初の計測予定数であった10名のデータ数を得ることができた。しかし、本年度の当初からの問題点として指摘されていた、咬合面形態と側方滑走運動・咀嚼運動を同座標軸上に移行する際の基準設定(人体・石膏模型における基準点の設定位置や運動データと形態データの精度の違いなど)、OSが異機種のコンピューター間のデータコンバートを行う際の、データのフォーマット方式の違いなどの問題点の具体的な解決案が判明せず、思うような結果を出すことが出来なかった。従って、未だにその対応策を現在検討中である。 また、本研究内で計測した、咀嚼運動のみのデータを用い、咀嚼運動の運動パターンの発現様相を海外での学会(76th General Session of the International Association for DentaI Research,1998.6.27,Nice,France)にて発表し、その概要を学術雑誌に発表した。
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