研究課題/領域番号 |
09771765
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
井原 功一郎 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90284637)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | インプラント義歯 / 顎骨切除症例 / 応力解析 / 有限要素法 / 多施設共同研究 / 咀嚼機能 |
研究概要 |
佐賀医科大学では、1989年より口腔外科疾患患者の咀嚼機能回復を目的にチタニウム製歯科インプラント(ブローネマルクシステム)を用いて現在60例以上の症例を有している。中でも、顎骨切除症例においては、義歯の固定源として極めて有効であるが、過去8年間の経過の中で種々の問題が生じている。特にインプラントと補綴物を連結するネジやインプラント体の破折、また、インプラント体周囲の骨の吸収などである。これらの問題点を3次元有限要素法を用いて力学的見地から解析することが本研究の目的であった。 この結果、下顎骨区域切除症例で、顎位の偏位や腸骨を用い下顎を再建する際に移植骨の位置が、対合歯列に対し偏位した位置にあるなどの原因で、上部構造の位置とインプラントを植立した位置が著しく異なる場合で、インプラント体に生じる内力や周囲骨に集中する応力が大きかった。本研究の詳細については、現在学術雑誌に投稿中である。 インプラントの予後を推測するのは、力学的評価のみならず、多くの因子が関与している。このため、上顎骨切除症例に限って、多施設共同研究を行い、力学的評価とともにインプラントの予後に関わる因子について検討を行った。その結果、インプラントの埋入部位や使用したインプラントの長さが、インプラントの予後に影響し、放射線、高圧酸素療法、化学療法の有無、維持装置の違いが、インプラントの予後に影響するか否かについては、明らかな差は認めなかった。本研究の詳細については、国際雑誌に発表した。 顎骨切除を行った患者は、多かれ少なかれ、顎骨非切除インプラント治療群に比べると、インプラントに生じる内力や、周囲骨に生じる応力は大きくなる。しかし、それが、生体にとって許容しうる範囲にある場合は、インプラント治療が、顎骨切除患者の咀嚼機能の向上をもたらすことが明らかとなった。本研究の成果は、日本顎顔面補綴学会雑誌に発表し、平成9年度の最秀論文賞を受賞した。
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