研究課題/領域番号 |
09771857
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京大学 (1998) 北海道医療大学 (1997) |
研究代表者 |
三浦 宏子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10183625)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マイクロレーザーラマン / 顕微FT-IR / 再石灰化 / 根面象牙質 |
研究概要 |
本研究では、根面象牙質齲蝕の進行過程ならびに再石灰化過程における無機質ならびに有機質の化学的変化を解明することを目的として、非破壊で微少領域の分子情報を得ることができるマイクロレーザーラマン分光分析法と顕微FT-IR分光分析法を用いて、根面象牙質表層の表面分析を行った。平成9年度は主にマイクロレーザーラマン分光分析を中心に行ったが、本年度は、その結果を受け顕微FT-IR分析を主として行った。FT-IR分析はラマン分光情報を補強し、かつ最表層の微量有機化合物の検出に極めて有効な方法であることが確認された。すなわち、乳酸緩衝液による脱灰後、ヒドロキシアパタイト由来だと思われる610cm^<-1>と570cm^<-1>附近のピークの吸収強度が減少し、その結果として炭化水素(有機成分)の相対割合が多くなった。FT-IR出現ピークから、これらの有機成分は象牙質コラーゲンであることが再確認された。これらの結果は、マイクロレーザーラマン分析結果を支持するものであった。 これらの脱灰象牙質に再石灰処理を行うと、低波数領域のアパタイト由来ピークの吸収強度が処理前のレベルまで回復することが示された。前年度のマイクロレーザーラマン分光分析の結果から、歯根象牙質に再石灰化処理を行うとhyper-reminelization現象が生じ、元のレベル以上に再石灰化が進行することが分かっているが、今回のFT-IR分析では明確には判定できなかった。 本年度と前年度の研究結果より、マイクロレーザーラマン分光分析と顕微FT-IR分析を併用することにより、従来検出が困難であった微少領域の無機質ならび有機質の変化がわかり、脱灰ならびに再石灰化の化学的過程が明確になった。
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