研究概要 |
培養PDL cellsに周期的伸展力を3日間継続して加えると同時に、indomethacin(10^<-6>M)、および抗ヒトIL-1β抗体(10ng/well)、また両者を同時に投与した群のPA活性は、indomethacin群で68%、IL-1β抗体76%、両者を投与した群では対照群レベルまで著明に抑制された。静置培養したPDL cellsに伸展力により産生される量のPGE_2(6.4×10^<-9>M)またはIL-1β(1.25×10^<-10>M)を培養液中に投与し、PA活性の経時的変化を測定したところ、PGE_2、IL-1β両群共に対照群に比較してPA活性は培養12時間後から上昇し、以後48時間まで時間に依存して上昇した。また、PGE_2およびIL-1βを各濃度で作用させると、濃度依存的にPA活性は上昇した。静置培養したPDL cellsにPGE_2、IL-1βの両者を投与した場合、低濃度では相乗的に、高濃度では相加的にPA活性の上昇が認められた。また、tissue typePA(tPA)の遺伝子発現をRT-PCR法にて検討した結果、対照群に比べてPGE_2、IL-1β投与群は強いtPAの遺伝子発現が認められ、両者投与群ではさらに強いtPAの遺伝子発現が認められた。 前年度研究により、レーザー照射によるPA活性の抑制効果はレーザー照射濃度依存的であったので今回はパルス照射と連続照射について比較した。照射条件は、連続照射10分、パルス1Hz,2Hz,4Hz,8Hz各々20分1回のみの照射とし、3,6,9,12時間静置培養後の上清によりPA活性量を測定した、パルス2Hzでは連続照射と同様にPA活性の抑制効果があったが、1,4,8Hzではなかったためパルスの種類によってもレーザー照射による抑制効果に差があることがわかった。 今後も、周期的伸展力により増加したPA活性のレーザー照射による抑制効果とPGE_2およびIL-1βの産生のメカニズムを解明していきたい。
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