研究課題/領域番号 |
09771910
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
新藤 充 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40226345)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アルキル化反応 / 脱離基 / エノラート / イノラート / リチウム / アルキル化 / 求核置換反応 |
研究概要 |
エノラートアニオン等のカルバニオンのアルキル化剤への求核置換反応による炭素炭素結合形成反応に於けるアルキル化剤の脱離基の機能強化を当初の目的として、研究に着手した。 1. 機能性脱離基を有するアルキル化剤の設計、合成 昨年度に引き続き金属カチオンにキレート能力を有するアルキル化剤を各種設計、合成した。今年度はアリファティックスルフォン酸エステルを合成した。 2. それらを用いてケトンのアルファー位メチル化反応を試みたところ、THF中では全く反応が進行しなかったが、トルエン中で行うと21%の収率で所望のモノメチル化生成物が得られた。収率は低いものの、この溶媒効果は脱離基のキレート能が効力を発揮したと考えられることから今後のアルキル化剤の設計に指針を与えるものと期待される。 3. エノラートの反応性の向上も図るため種々のジアニオンを検討中に興味深い反応を見出した。エステルエノラートのジアニオンをα-ブロモエステルから生成し、次いで0度まで反応温度を昇温したところ3重結合を有するイノラートアニオンが生成した。このカルバニオンは文献上いくつかの合成法が知られているものの、実用に耐えうる汎用性のある合成法は見出されていなかった。そこで条件検討を行ったところ90%以上の生成効率でイノラートアニオンを合成する新規方法論を確立することができた。次にこのイノラートアニオンの反応について、いくつかの検討を行った。その結果、イノラートアニオンとアルデヒド及びケトンとの反応において求核活性の高いβラクトンエノラートが効率よく生成することを見出した。更にこのエノラートを熱分解すると高いE選択性で多置換オレフィンが生成することを見出した。この反応は従来のオレフィン化反応を良がする選択性を示す系も見出されており有機合成上有用なものと考えられる。
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