研究課題/領域番号 |
09771932
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
村上 敏之 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (40278445)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Salacia reticulata / Salacia oblonga / Kotalanol / α-グリコシダーゼ阻害活性 / 地膚子 / Kochianoside / 血糖値上昇抑制活性 / momordin lc / salacinol / α-グルコシダーゼ阻害活性 / Myrcia sphaerocarpa / myrciacitrin / myrciaphenone / アルドース還元酵素阻害活性 |
研究概要 |
スリランカにおいて糖尿病の特効薬として用いられるSalacia reticulata根からsalacinolの他に、新たに天然では非常に珍しいチオ糖分子内スルホニウム硫酸塩構造を有するkotalanolを単離し、その平面構造を明らかにした。そしてkotalanolについてin vitroでのα-グルコシダーゼ阻害活性を検討し、salacinolと同様に市販医薬品よりも強い阻害活性のあることを明らかにした。さらに、インド産のアーユルヴェーダ生薬Salacia oblonga根のMeOHエキスにもショ糖負荷でのラットの血糖値上昇に対して非常に強い抑制活性及びin vitroにおいて強いα-グルコシダーゼ阻害活性を見出した。そこで、S.oblongaについても α-グルコシダーゼ阻害活性を指標に有効成分を探索した結果、salacinol及びkotalanolを単離した。 地膚子から新たに、kochianoside A、B、Cを単離し、それらの構造を決定するとともに、地膚子から単離したサポニン類についてラットにおけるグルコース負荷による血糖値上昇抑制作用を検討し、活性発現に関する興味深い知見を得た。また、主成分momordin Ic、IICについて血糖値上昇抑制活性を発現するメカニズムについて検討し、これらサポニン類はインスリン分泌促進作用やインスリン様作用など末梢での糖代謝促進には関与せず、胃から空調への糖質の移行を遅らせ、小腸粘膜上皮細胞に存在するグルコース輸送系を阻害することにより、血中への糖の移行を抑制することを明らかにした。 また、西洋トチノキ種子及びセネガ根から単離したescin Ia、Ib、 E,Z-seneginIIについても血糖値上昇抑制活性及びそのメカニズムを検討し、サポニン構造と活性の相関関係について興味深い知見を得るなど当初の計画をほぼ達成した。
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