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HIV-1プロテアーゼの作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09771940
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物理系薬学
研究機関千葉大学

研究代表者

星野 忠次  千葉大学, 薬学部, 講師 (90257220)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードHIV-1プロテアーゼ / 活性部位 / 分子動力学法 / 量子化学計算 / 水分子 / ES複合体 / 水素結合 / 特異的基質切断部位 / フラップ領域 / 結晶構造 / アスパラギン酸
研究概要

HIV-1プロテアーゼは、ウイルス前駆体タンパク質を加水分解し、HIV-1の複製に必要である構造タンパク質や複製酵素を生成する酵素である。この酵素は、通常、哺乳動物の各種エンドペプチダーゼが切断することのないPhe-Pro及びTyr-Proペプチド結合を切断する。従って、このような特異的基質のHIV-1プロテアーゼによる加水分解機構を解明することは、有効なHIV-1プロテアーゼ阻害剤の開発に大きく貢献すると期待される。本研究においては、分子動力学計算と量子化学計算によってHIV-1プロテアーゼの作用機構について、原子レベルの解析を行った。
まず、酵素-基質(ES)複合体の生体内条件下での安定性について分子動力学計算により研究した結果、ES複合体の触媒活性部位が酵素活性を発現する構造を保持するためには、触媒活性部位近傍に存在する2つの水分子が必要不可欠であることがわかった。これは、HIV-1のRNA遺伝子上にコードされているプロテアーゼ蛋白のみではHIV-1プロテアーゼのES複合体が酵素活性を発現出来ないことを示している。
次に、HIV-1プロテアーゼの基質加水分解機構を量子化学計算により研究した結果、本酵素の特異的基質切断部位であるPhe-Proペプチド結合の加水分解機構は3つの素反応から構成されていることがわかった。この加水分解反応の律速段階の活性化エネルギーは23.95 kcal/molであり、実際に酵素が働く生体内温度で、これらの反応は十分に起こり得るものと考えられる。以上の分子動力学計算および量子化学計算による研究結果は、論文として纏められ、発表予定ならびに受理審査中である。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.Okimoto: "Hydrolysis Mechanism of the Phenylalanine-Prolin Peptide Bond Specific to HIV-1 Protease:Investigation by the ab initio Molecular Orbital Method" Journal of the American Chemical Society. (発表予定).

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 津久井利幸: "HIV-1プロテアーゼES-complex構造の分子動力学シュミレーション" 生物物理学会講演予稿集. 37. S17 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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