研究課題/領域番号 |
09771965
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
堀江 俊治 千葉大学, 薬学部, 講師 (50209285)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 非選択性カチオンチャネル / 電位依存性カルシウムチャネル / カルシウム拮抗薬 / 胃酸分泌 / ヒスタミン遊離 / 一酸化窒素 / 内皮依存性弛緩 / 鎮痛作用 / ニューロブラストーマ細胞 / 神経伝達物質遊離 / SKF-96365 |
研究概要 |
当該研究では生体反応におけるカルシウム拮抗薬抵抗性カルシウム流入の役割を解明することを目的とした。本年度は昨年度の結果を展開させ、胃酸分泌に関連するECL細胞からのヒスタミン遊離、血管弛緩を調節する一酸化窒素遊離、および神経伝達物質遊離反応に関与するカルシウム流入経路を解析し、その経路に作用する薬物、特に伝承民間薬成分の薬理作用を評価した。その成果を次の3点に要約した。(1) 胃酸分泌に関連したヒスタミン遊離を担当するECL細胞の細胞内Ca^<2+>感受性:昨年確立したマウス摘出全胃標本における胃壁細胞とECL細胞の機能的分離の条件を用いて、それぞれの細胞における胃酸分泌機能におけるカルシウム感受性について検討した。その結果、ECL細胞は胃壁細胞より細胞内カルシウム感受性が高いことを見出した。すなわち、ECL細胞はわずかな細胞内カルシウム上昇によってヒスタミンを遊離することが明らかとなった。(2) 血管弛緩を調節する一酸化窒素遊離に関与するCa^<2+>流入経路の解析:ラット大動脈標本を用いて、コリン作動性刺激による内皮依存性弛緩および内皮細胞カルシウム上昇に対して非選択的カチオンチャネル遮断薬SKF-96365は抑制を示した。また、漢薬附子の成分メサコニチンが血管内皮細胞に作用して、カルシウムチャネル開口を介して内皮依存性弛緩作用を示すことを見出した。(3) タイ薬用植物成分ミトラガイニンの鎮痛作用と神経Ca^<2+>チャネル遮断作用:タイ国における麻薬性の民間薬成分ミトラガイニンがニューロブラストーマ細胞においてL型、T型カルシウムチャネルに作用し、カルシウム流入を抑制することを見出した。さらに、ミトラガイニンの中枢内投与はマウステイルフリック法を用いた検討において強力な鎮痛作用を示した。その鎮痛作用に一部に神経カルシウムチャネル遮断作用が関与している可能性が考えられた。
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