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β-ラクタマーゼの作用機構-阻害薬開発のための基礎的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 09772022
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 医薬分子機能学
研究機関千葉大学

研究代表者

畑 晶之  千葉大学, 薬学部, 助手 (50241972)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードβ-ラクタマーゼ / セリンプロテアーゼ / 基質加水分解機構 / 量子化学計算 / 抗生物質 / アシル化 / 脱アシル化 / プロトンリレー / 密度汎関数法
研究概要

当初計画に従い、(1)β-ラクタマーゼによる基質加水分解機構-量子化学計算による検討、(2)β-ラクタマーゼによる基質加水分解機構-分子動力学による検証を行った。 (1)についてはβ-ラクタマーゼによる抗生物質不活化機構が、以下のように起こることがわかった。アシル化反応は、まずSer70Oγ→Lys73Nζ→Glu166Oεのプロトンリレーが起き、活性化されたSer70Oγと基質4員環のカルボニル炭素とが結合する。次に、Glu166Oε→Lys73Nζ→Ser130Oγ→(基質5員環カルボキシル基)→基質4員環の窒素のプロトンリレーが起き、4員環が開環しアシル酵素中間体となる。脱アシル化反応は、まずLys73Nζ→Ser130Oγ→(基質5員環カルボキシル基)のプロトンリレーが起き、Lys73が中性となる。水分子がGlu166Oεにより活性化され、プロトンがGlu166Oεに、OH^-が基質4員環カルボニル炭素と結合し、四面中間体となる。次に、(基質5員環カルボキシル基)→Ser130Oγ→Lys73Nζ→Ser70Oγのプロトンリレーが起こり、基質がSer70Oγから脱離していく。最後にGlu166Oε→Lys73Nζのプロトンリレーが起き、resting状態に戻る。脱アシル化反応において、反応モデルを前年度のものにSer130と基質5員環カルボキシル基とを加えた結果、律速段階(四面中間体生成反応)における活性化エネルギーがHartree-Fockレベルで40.8kcal/molから33.3kcal/molに底下し、Ser130と基質5員環カルボキシル基の重要性が示された。(2)については脱アシル化反応の初期状態について分子力場計算を行った。その結果、Benzyl Penicillinの5員環カルボニル酸素とSer130Oγ、Ser130OγとLys73Nζ、Lys73NζとSer70Oγとがそれぞれ水素結合距離にあり、量子化学計算の結果が再現された。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 畑 晶之: "β-lactamaseの作用機構-脱アシル化反応メカニズム-" 1998分子構造総合討論会講演要旨集. 517 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] M.Hata: "Resistance Mechanism to β-lactam Antibiotics:Deacylation Mechanism of Class A β-lactamase" 38th INTERSCIENCE CONFERENCE ON ANTIMICRO-BIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY ABSTRACTS. 113 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 畑 晶之: "β-lactam抗生物質耐性の機構(5)脱アシル化反応メカニズム(四面中間体の形成)" 日本薬学会第119年会講演要旨集. 3. 170 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 藤井 康之: "β-lactam抗生物質耐性の機構(6)脱アシル化反応メカニズム(基質脱離反応)" 日本薬学会第119年会講演要旨集. 4. 114 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 畑 晶之: "β-lactam抗生物質耐性の機構-脱アシル化反応メカニズム(4面中間体の形成" 1997計算化学・理論化学討論会講演要旨集. 51 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 石井 美保: "β-lactam抗生物質耐性の分子機構(3)" 生物物理(第35回日本生物物理学会講演予稿集). 37. S23 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 畑 晶之: "β-lactam抗生物質耐性の機構(4)脱アシル化反応メカニズム" 日本薬学会第118年会講演要旨集. (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 石井 美保: "β-ラクタマーゼの基質加水分解機構の解明" 千葉大学大学院薬学研究科修士学位論文, 42 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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