研究課題/領域番号 |
09772048
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 京都府立医科大学 (1998) 理化学研究所 (1997) |
研究代表者 |
加藤 満雄 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70260221)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | セロトニン受容体 / ゲノムインプリンティング / 網膜芽細胞腫 / プロモーター / メチル化 / セロトニン受容体遺伝子 / ゲノムインプリティング |
研究概要 |
これまで、遺伝性網膜芽細胞腫患者の組織を用いた解析より、ヒトセロトニン受容体遺伝子のゲノムインプリンティングの可能性が示唆されてきた。患者由来の組織では、解析に適当な症例数も少なく、マウスのような交配実験などが不可能なため、ゲノムインプリンティングの詳細な機構の解析には限界がある。本研究では、マウスの遺伝学的解析を用いることにより、セロトニン受容体遺伝子のゲノムインプリンティングの機構を行った。近交系(C57BL/6J)マウスおよび野生(PWK)マウスのセロトニン受容体遺伝子のcDNAの遺伝的多型を用いて、F1マウスを解析した結果、ヒトと同様に母由来の遺伝子のみが発現していることが明らかとなった。また、網膜芽細胞腫の増殖に関連していることから、目における発現を調べたところ、F1の胎児の目でのみ発現し、生後は発現が認められず、やはり、母由来の遺伝子のみが発現していた。このことは網膜芽細胞腫が胎児性の腫瘍であることと考えあわせると非常に興味深い。一方、母親由来の遺伝子特異的な発現がどのような機構で制御されているかについては明らかとなっていない。そこで、ヒトセロトニン受容体遺伝子のプロモーターをルシフェラーゼのリポーター遺伝子の上流に組み込み、in vitroでメチル化した際に、遺伝子の発現がどのように影響を受けるかについて解析したところ、in vitroでメチル化したプラスミドを用いたところリポーターからの発現が抑制される結果が得られた。このことから、ヒトセロトニン受容体遺伝子のゲノムインプリンティングがメチル化によって制御されている可能性が示唆されてきた。
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