研究課題/領域番号 |
09772051
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
|
研究機関 | 群馬大学 (1998) 東京大学 (1997) |
研究代表者 |
山本 康次郎 群馬大学, 医学部, 助教授 (70174787)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | animal scale up / pharmaco dynamics / pharmacokinetics / FK143 / testosterone 5α-reductase / 5-α-reductase阻害薬 / 生理学的モデル / 酵素阻害薬 |
研究概要 |
5-alpha-reductase阻害薬である4-[3-[3-[Bis(4-isobutylphenyl)methoxylamino]benzoyl]-1H-indol-1-yl]-butyric acid(FK143)をラットに単回静脈内投与し、血液中および組織中濃度を測定して生理学的モデルにより体内動態を解析した。薬物の各組織への移行は遅く、膜透過律速型であった。初期の分布容積は各組織のイヌリンスペースあるいは血管容積との相関が認められ、膜透過の遅さを裏付けた。血漿中薬物濃度推移は線形であったが、薬物の前立腺への分布は非線形性を示し、特異的結合の飽和が認められた。種々の組織で特異的結合に関与する結合体の量と各組織中のTestosterone 5-alpha-reductase活性は相関する傾向を示した。一方、in vivoにおいてFK143をラットに単回投与後の前立腺中薬物濃度およびdihydrotestosterone濃度を測定し、その関係を酵素の代謝回転を考慮した酵素阻害モデルにより解析したところ、推定されたin vivoでの酵素阻害定数はin vitroでの測定値とよく一致し、モデル解析の妥当性が示された。さらにFK143をラットに1日1回繰返し静脈内投与したときの1週間後の血液中および前立腺中薬物濃度およびdihydrotestosterone濃度は、単回投与データからの予測値とよく一致した。得られたパラメータ値から、FK143によるテストステロン合成阻害作用発現の律速過程は、FK143の前立腺への蓄積過程であること、この組織への結合が飽和することにより薬理作用も飽和することが明らかとなった。 次に、健常成人男性において血清中FK143濃度、testosterone濃度およびdihydrotestosterone濃度を測定し、同様の薬動力学モデルにより解析した。ヒトにおいても単回投与時のデータを用いて算出したパラメータによりFK143繰り返し投与時の血中FK143濃度および薬理作用の経時推移を説明する事ができ、本モデルが動物種を越えて適用可能であることが示唆された。
|