研究課題/領域番号 |
09772064
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
森下 英理子 金沢大学, 医学部, 助教授 (50251921)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 白血病 / インテグリンMac-1 / DIC / 凝固活性化 / 第X因子活性化 / 白血病細胞 / Mac-1 / Xa活性 / 組織因子 |
研究概要 |
本研究では、白血球細胞上のMac-1を介した凝固活性化機序を解明するために、患者白血病細胞上Mac-1発現率と臨床的な凝血学的所見について検討し、以下の結果を得た。 1. 末梢血白血病細胞上のMac-1発現率 白血病患者28例:急性骨髄性白血病(AML)18例(M13例、M29例、M32例、M43例、M61例)、急性リンパ性白血病(ALL)3例、LGL白血病1例、急性混合性白血病2例、骨髄異形性症候群1例、慢性骨髄性白血病急性転化2例を対象とした。平均Mac-1発現率はALL(16.3%)に比べてAMLの方が高く、特にM2(36.2%)、M4(35.7%)で高率であったが、臨床的にDICを合併しやすいM3(7.5%)では最も低値であった。 2. 凝血学的所見とMac-1 M3の2例を含むDIC合併例8例と非合併例20例における白血病細胞上Mac-1発現率を比較すると、合併例では17%、非合併例では38%であり有意差を認めず、非合併例では高値であった。Mac-1発現率と、凝固線溶系パラメータPT、APTT、FDP、D-dimer、TAT、PICとの間には有意な相関は認められなかった。CD14はLPSレセプターとしての機能を有しており、今回同時に発現率を検討したが、Mac-1と同様にDIC非合併例の方が高率に発現していた。一方、Mac-1発現率が90%と高値であったM4では、TAT、PICの増加はわずかであった。 3. 結論 以上の結果より、白血病細胞上のMac-1を介した凝固活性化機序が、臨床的な凝固亢進状態を引き起こす可能性はきわめて少ないと考えられる。少なくとも、M3症例におけるDICの発症には、Mac-1の関与よりも白血病細胞中の組織因子による凝固活性化が重要な要因になっているといえよう。
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