研究概要 |
I. 免疫グロブリン産生細胞の分離とテロメア長の解析 (1) 外科的処置により得られたリンパ節より、IgM,IgG,IgAを産生する各形質細胞の分離を行った。昨年度の方法(Fcレセプターを介した非特異的反応を抑制するためのインキュベーション法と通常の抗体を結合させた既製の磁気粒子によるpositive selectionとの組み合わせ)では解析に十分なDNA量を得ることは困難であったが、抗ヒトIg抗体にF(ab')_2を用いて磁気粒子に結合させることで容易にDNAが得られ、テロメア解析に供することが可能となった。 (2) FI-11-dUTP標識したテロメアプローブ(TTAGGG)_4を用いて、サザンブロットハイリダイゼーションを行い、dioxetane検出系にてテロメア領域を検出し、その平均長をデンシトメーターで計測した。計測方法については、昨年度確立した再現性の良好な方法に従った。 (3) 本年度に用いた試料でも、昨年度と同様にIgM,IgG,IgA産生細胞の各テロメア長の差は僅かであった。テロメア長短縮の動向は、クラススイッチにより互いに関連すると考えられることから、細胞分裂回数をより詳細に反映できる平均テロメア長以外の解析パラメーターの導入を引き続き試みた。 II. 免疫グロブリン産生細胞の構成比の解析 (1) フローサイトメトリーにて免疫グロブリン産生細胞の構成比の解析を行った。解析の再現性は比較的良好であった。この構成比とテロメア長との比較から、Bリンパ球の分化と分裂に関する考察を行った。
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