研究課題/領域番号 |
09772070
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (50211636)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アミロイドーシス / 多発性骨髄腫 / 慢性関節リウマチ / 人工透析 / HDL / アポリポ蛋白AI / アポリポ蛋白AII / マウス / リコンビナント蛋白 / 酵素免疫測定法 |
研究概要 |
基礎疾患を持つ全身性アミロイドーシス患者(ア症)において、血清アポAI,AII濃度の測定がアミロイドーシスの診断に有用かどうかを調べた。対象は多発性骨髄腫(MM)21例(うちア症合併8例)、慢性関節リウマチ(RA)95例(合併45例)、人工透析(HD)73例(合併32例)で、アポAII濃度はア症合併例で低値を示した。アポAII/AI比0.2をカットオフとすると各基礎疾患群でのア症診断の感度、特異性はMM群で、50%、100%、RA群で80%、78%、HD群で46%、90%となり、この指標がア症を診断する上で有用(特にRA群)であることが示された。なおこの指標は、腎症の存在、炎症活動性に影響されなかった。 この機序を解明するためにRA群ア症のモデルである、マウス実験アミロイドーシスでのアポA蛋白の挙動を解析した。特異抗体を作製し、それぞれの測定系を確立した。両アポA蛋白ともア症発症マウスで低下し、アポAIIの低下がより顕著であり、ヒトでの成績と同様であった。しかし、アポA濃度は炎症活動性の影響を受けるため、肝でのmRNAの変化をRT-PCR法で調べた。アミロイド生成後期、安定期には、炎症が鎮静化し、アポAmRNAの低下は明確でなかった。一方、アミロイド生成期には、沈着中でアポAの存在が免疫組織化学的に確認されたことより、この時期のアポAの濃度低下は合成低下ではなく、アポAがHDLとともにアミロイド生成に巻き込まれることによる可能性が示唆された。よって血清アポA濃度が、アミロイド形成の状態を反映する指標になると期待される。
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