研究課題/領域番号 |
09772091
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 泰子 大阪大学, 医学部, 助手 (60283777)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 喘息の子ども / 家族 / ケアリング / 相互作用 / 体験 |
研究概要 |
計画に基づき、分析及びデータ収集を継続して行った。本研究への参加に対する同意の得られた、専門病院で1年以上治療やフォローを続けている学童と中学生に対してインタビューを実施した。さらに承諾の得られた対象に対してインタビュー内容を録音した。データ収集の信頼性と妥当性を高めるため、病気の子どもと家族のサポートグループの活動にできるだけ参加して視察やインタビューを行い、子どもの行動の意味について分析を行った。インタビューの内容は、引き続き病気で具合の悪かったときに自分の周囲の人に対して思ったことや感じたこと、その後の関わり方についてを中心とした。比較分析をすすめるため、喘息以外の慢性疾患の子どもに対するデータ収集も行った。継続してインタビューを行った対象3名に対して明らかになった傾向として、体調の悪いとき、発作などで苦しいときに自分を支えてくれるものは自分のそれまでの生活経験であり、たとえうとましい体験とそれに関係する相手であってもつながりを自分から断ちきろうとはしてぃなかった。自分が苦しいときにできるだけだれかに対して何かがしたい、思いやりたいと考える傾向がみられた。今後も喘息とつきあっていくためには、仲間と自分の存在を確認することができる場の存在が不可欠であり、それを見つけるために自分のやり方で探し続けることを支えてほしい、周囲の者が探しているのも尊重し支えたいと思っていた。発作は心にたまったものを吐き出すものであると肯定的な認識もしており、発作を克服することで他者との絆が強められ人生の質的意味も深められていた。発症を肯定的にとらえ病状を安定させながら周囲の人々との関係も調整しようと努めている子どもの思いを理解し尊重し子どもだけの力では足りない部分を支えていく、大人の存在が必要であるとみなされ、医療者や学校関係者の果たす役割が示唆された。家族や友人、学校関係者などに対するデータを収集し相互作用に関する分析をさらにすすめること、対象が少数で病状の比較的安定している子どもに限定されていること、病の経験の意味についても明らかにしていくことが今後の課題とされた。
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