研究課題/領域番号 |
09772093
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中嶋 有加里 大阪大学, 医学部, 助手 (40252704)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 産後 / 妊産婦 / 保健行動 / 健康支援 / 育児支援 / 地域社会 / 甲状腺機能異常症 / 抗甲状腺マイクロゾーム抗体 |
研究概要 |
1、 産後の母性健康の指標として、「予防的保健行動尺度」「生活行動に対する保健行動の優先性尺度」(宗像恒次)を使用し、郵送調査を行った。産後の特徴を把握するため、妊娠時からの変化に注目して分析し、以下の結果を得た。 (1) 産後1カ月の保健行動の平均点は妊娠各期に比較して低下しており、質問項目の分析から、養育行動の優先性及び 産褥期間中の行動制限によることが判明した。 (2) 産後3カ月の保健行動は産後1カ月の保健行動と大きく変容することはなかった。但し、睡眠については産後1カ 月に比較して明らかに改善されていた。乳児の生活リズムが次第に確立されつつある状況を反映した結果である。 (3) 産後6カ月〜1年の保鍵行動は産後1カ月・3カ月の保健行動と大きく変容することはなかった。但し、妊娠中に飛 躍的に向上していた食事・栄養に関する保健行動は徐々に低下傾向を示した。 II. 産後の甲状腺機能異常症のスクリーニングとして、妊婦健診時に抗甲状腺マイクロゾーム抗体を測定し(16施設)、抗体陽性者に対して産後のフォローアップを試みた。 (1) 妊婦健診時の坑甲状腺マイクロゾーム抗体陽性率;8.9%(1587名/18244名) (2) 産後に発症した甲状腺機能異常症(妊娠前あるいは出産前から甲状腺機能異常症と診断されていた事例は除外)は フォローアップ事例中29.8%(56名/188名)であった。内訳は破壊性甲状腺中毒症;51.9%、バセドウ病;17.9%、 一過性甲状腺機能低下症;10.7%であった。全て産後1〜8カ月の発症であった。 以上より、産後1年問の母性健康の中では、産後1カ月の健診をもって終了とする現行の方式では極めて不充分で、女性の一生のQOLを高める上で、より長期的なヘルス・ケアシステムの確立が必要であり、地域的な育児支援システムを包含した綜合的な産後の母性健康支援システムが望ましい。
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