研究課題/領域番号 |
09772107
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
野口 眞弓 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (40241202)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ケアの質 / 母乳 / コルチゾール / sIgA |
研究概要 |
本年度は、母乳ケアの質を測定する用具の信頼性と妥当性の検討およびストレスと母乳中の免疫成分との関連の検討を行った。 1. 母乳ケアの質を測定する用具の信頼性と妥当性 母乳ケアを参加観察し、その結果からケアの認識および評価を受け手に問う質問項目を42項目作成した。病院あるいは助産所で母乳ケアを受けた449名の測定値を用いて因子分析を行い、第1因子「気楽にして優しい後押し」、第2因子「当たり前の心配り」、第3因子「手を用いた直接援助」という35項目3因子を抽出し、累積寄与率が41.1%となった。信頼性については再テスト法と内部一貫性、妥当性については因子分析による構成概念妥当性および併存妥当性について検討を行い、信頼性と妥当性があることが確認された。 2. ストレスと母乳中の免疫成分との関連の検討 出産1週間以内の29名を対象として、母親のストレス、授乳状態、母乳ケア(今回、信頼性と妥当性を確認した測定用具)と母乳中IgAの関係を検討した。その結果、以下のことが明らかとなった。 (1) 母乳中IgA分泌量は、分娩時の身体的ストレスが高く、産褥期に不安が高まり、出生時体重が大いほど減少していた。このような状況ではより多くの母乳ケアが提供されており、母乳ケアの評価は高くなっていた。 (2) 産褥4日の授乳のセルフ・エフィカシーは、出産回数が多く、母乳ケアについての評価がよく、産褥4日の母乳の成果に満足しているほど高くなっていた。 (2) 産褥6日の母乳の成果に対する満足は、出産回数が少なく、産褥4日の授乳のセルフ・エフィカシーが高く、産褥期に不安になる程度が低いほど高くなっていた。授乳状態が良好な場合は、あまり多くの母乳ケアは提供されておらず、母乳ケアの評価は低くなっていた。 以上のことから、母乳ケアは精神神経免疫学的な視点を持ついても評価できることが示された。
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