研究課題/領域番号 |
09780001
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
藤井 恵子 山形大学, 教育学部, 助教授 (20186480)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 高圧 / 疎水性水和 / 殺菌 / 芽胞菌胞子 / アルゴンガス / 物性 / スキムミルク / 絹フィブロイン / 卵白 / 豆乳 |
研究概要 |
1. 目的 食品の調理、加工、貯蔵において一般に使われている加熱操作は、栄養成分や風味の劣化などを伴い、生の良さを生かす加工法としては理想的な方法とはいえない。本研究では、無加熱高圧加工プロセスとして、前年度に引き続き不活性ガスを溶存させて高圧処理する食品加工あるいは殺菌について検討した。 2. 方法 供試菌として低温での高圧処理では死滅させることができない芽胞をもち、しかも食品中に比較的広く存在するBacillus cereusを選んだ。Bacillus cereusの栄養細胞を完全に死滅させ、芽胞のみの状態にしたものを、標準菌液とした。標準菌液を直径3cm、長さ22cmの円筒状のアルミパウチ袋に詰め、アルゴンガスを溶解させた。これに加圧処理を施した。加圧処理を行った試料は、Nutrient Agar培地で30℃、48時間培養し、出現したコロニー数を生菌数として測定した。殺菌効果は、加圧後の生菌数を加圧前の生菌数で割った生存率で評価した。 3. 結果 500MPaで処理した結果は、処理温度40℃ではアルゴンを添加していない試料で30分加圧で4オーダーの殺菌効果があり、60分加圧でさらに殺菌効果が高まった。一方アルゴンを添加した試料では60分加圧でも3オーダーの殺菌にとどまり、アルゴンの添加は殺菌を抑制した。処理温度30℃では、アルゴンを添加していない試料及び添加した試料いずれも、60分の加圧で2オーダーの殺菌効果となり、アルゴン添加の影響は認められなかった。一方処理温度20℃では、40℃の場合と異なり、生存率はアルゴンを添加していない試料に比べアルゴンを添加した試料の方が低下し、アルゴンの添加は殺菌を促進した。すなわち疎水性水和が増大する条件では、芽胞菌胞子の生存率が低下した。加圧時間が長いほどその影響は顕著であった。以上の結果から、アルゴンを溶存させることにより、芽胞菌胞子をより穏和な条件で殺菌するのに効果があることが示された。
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