研究課題/領域番号 |
09780019
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
川上 美佐子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (10231268)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | チューブリン / 微小管 / GTPase活性 / リン脂質過酸化物 / 蛍光スペクトル / 紫外吸収差スペクトル / GTPase / 差スペクトル / 電気化学検出(ECD検出) |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)チューブリンにリン脂質過酸化物を作用させた時のチューブリンの劣化機構を、機能と構造の両面から解明し、(2)脂溶性および水溶性還元剤の添加が、劣化したチューブリンの機能を回復させるかどうかを検討する事であった。(1)については、チューブリンにリン脂質過酸化物を添加すると、チューブリンのGTPase活性が、リン脂質過酸化物の濃度依存的に低下させられた。このリン脂質過酸化物により劣化させられたチューブリンの構造を検討したところ、疎水性残基の露出が観察され、また、ヒスチジン残基が影響を受けていることが示唆された。つまり、リン脂質過酸化物が、チューブリンの立体構造に影響を与えていた。 本年度は、(2)の劣化したチューブリンの機能回復効果を検討するために、チューブリンに還元剤としてアスコルビン酸(AsA)を添加して実験を行った。AsAをはじめから添加したチューブリンのGTPase活性は、リン脂質過酸化物に影響を及ぼされなかった。あらかじめチューブリンにAsAを添加した後でリン脂質過酸化物を添加しても、GTPase活性阻害は認められなかった。ところが、チューブリン溶液中にリン脂質過酸化物を添加すると、チューブリンのGTPase活性は低下した。このことは、チューブリンと脂質過酸化物との反応性の早さを示唆するものである。リン脂質過酸化物添加により低下させられたチューブリンにAsAを加えると、リン脂質過酸化物添加により観察された構造変化が、蛍光スペクトル測定および紫外吸収スペクトル測定から、回復する事が確認された。以上のことにより、リン脂質過酸化物により劣化させられたチューブリンの機能及び構造は、AsAの添加により回復する事が確認された。なお、グルタチオン、システインでは回復効果は認められなかった。
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